【完】私と息子に幸せをくれた人(中篇)
私は春風さんを見た。
「俺が翔ちゃんを指名したんだ。チェンジはしたくないから、零士を写さない約束はちゃんとしたし、よろしくね?」
体を動かして喜ぶ零士を支えながら、春風さんは私に微笑む。
「でも…」と、零士の頭を撫でながら躊躇う私に、春風さんは、「でもじゃない!」と、立ち上がる。
「俺、このペアでモデルとして評価が上がれば、君を俺の専属にしたいんだ。他のモデルと撮影なんてさせない。嫌?」
“嫌”とは別に思わない。
ただ、上手くも笑えず、プロとしての資格を、自他共に潰そうとしてる、私、【翔】と仕事をして、春風さんにメリットはあるのだろうか。
「俺が翔ちゃんを指名したんだ。チェンジはしたくないから、零士を写さない約束はちゃんとしたし、よろしくね?」
体を動かして喜ぶ零士を支えながら、春風さんは私に微笑む。
「でも…」と、零士の頭を撫でながら躊躇う私に、春風さんは、「でもじゃない!」と、立ち上がる。
「俺、このペアでモデルとして評価が上がれば、君を俺の専属にしたいんだ。他のモデルと撮影なんてさせない。嫌?」
“嫌”とは別に思わない。
ただ、上手くも笑えず、プロとしての資格を、自他共に潰そうとしてる、私、【翔】と仕事をして、春風さんにメリットはあるのだろうか。