【完】私と息子に幸せをくれた人(中篇)
『じゃあ、30分後に翔子ん家、行く!』



「は?ダメですよ!!」



突拍子もない話に、私は電話ながら顔を左右に振った。

タクシーの運転手さんが、ミラー越しに、私を不思議そうに見てる。



「少しはご自分の人気を自覚して下さいよ」



『大丈夫。翔子と零士に会えるなら、リスクは惜しまない。ま、変装はちゃんとして行くから!!』



必死に言って来る聖さんに、私は折れて、「わかりました」と言って、電話を切った。

メールで住所と駐車場の番号を教え、零士を迎えに行き、スーパーに寄ってから、自宅へ急いで帰った。




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