【完】私と息子に幸せをくれた人(中篇)
家に着き、零士をベビーサークルの中で遊ばせ、私は新聞や雑誌を片付ける。
掃除機をかけ、買い物して来たモノを整理してると、ピンポーンと鳴る。
私はエントランスのオートロックを解錠し、零士と玄関までお出迎え。
2階だから、エントランスからすぐなんだ。
零士を見るなり、笑顔になる聖さんは、マスクと帽子を外した。
「怪しまれなかったですか?」
「全然」
零士を抱っこして貰い、私はスリッパを聖さんの前に出した。
零士がお気に入りの童謡のCDをかけながら、私はコーヒーを二つ淹れた。