【完】私と息子に幸せをくれた人(中篇)
春風さんは「衣装にゆだれ付いた!ま、良いや」と、零士を高い高いをしながら笑ってる。

私はジャケットのポケットからハンカチを出して、春風さんのシャツに垂れた、零士のゆだれを拭った。



「俺、こいつ気に入った!」



春風さんは、いきなり私の頭上で叫んだ。

160センチの私にも、186センチの春風さんは大きい。

プロフィールに書いてあったけど、細身のガッチリした体型のせいか、もう少し大きくも見える。



「私、着替えて来るので、零士を…」



私は至近距離が急に恥ずかしくなり、春風さんから離れながら、零士の脇の下に手を入れた。
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