【完】私と息子に幸せをくれた人(中篇)
柏木さんは「じゃあ先ずは」と、ファイルを捲った。



「翔さんに質問です」



「あ、はい…っ」



いきなり私への質問が選ばれた為、無駄に背筋を伸ばした。



「好きなタイプを教えて下さい。Y子さん15歳の方からです」



「好きなタイプ…。彼氏、ですかね」



“彼氏の存在を隠さなくても良い”と言われてた為、私は自分からカミングアウト。

田中さんは「彼氏!」と、食い付いて来た。



「彼氏はどんな人?」



「私と子供を可愛がってくれて、大切にしてくれてます」



私が真面目に答えると、見学の方から「羨ましい」と言う、声が聞こえた。
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