【完】私と息子に幸せをくれた人(中篇)
「ヤダ。俺、零士と遊んでるから、翔ちゃんは着替えておいで」



しかし……春風さんは、ギュッと、零士を抱き締めてしまい、一緒に楽屋へ行くのは困難になった。

私は「…すぐ戻ります」と伝え、自分の楽屋へ行く事にした。

今日は黒のワンピースだった。

大人のカップルのデート風景を、撮影するらしい。

私は衣装に着替え、メイクをして貰う。

キリッと見えるようにアイラインを引いて貰い、髪の毛は、緩やかな内巻き。

オレンジのグロスを塗って楽屋を出ると、零士が春風さんに、蒸しパンを食べさせて貰って居た。
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