病院恋愛
…しかもね。


さっきから意識しないようにしてたけど、いつの間にか朝比奈君、『雪さん』呼びだしっ!!


仕事以前から、仲間内ではよく名字で呼ばれてたから…


…予告なく、いきなり名前で呼ばれると変に照れ臭いというか…。




…だからかな。


きっと今、私の頬は少し熱い。




「……ありがと。看護婦としては、最高の嬉しい誉め言葉ね…。おだててもなんにも出ないわよ?」


そうお姉さんらしくしてみたんだけども、


「これは俺の感想。素直に受け取って?」


彼は私のそれをスルーして、白い歯をチラッと見せてただ笑っている。




…ここが病院じゃなかったら、コロッと彼の口説きに落ちてしまいそうだよ……。
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