病院恋愛
「お騒がせしてスミマセン。いつも二人、こうなので。」


私の後ろから聞こえた、凛とした声。


振り向くと、スレンダー美人さんが。


…でもあの、口元が笑ってますけど。




「…いえ。あの人って…」


「あぁ。アノ女王様は晃の姉の媛(ヒメ)です。」




ゴージャス=『女王様』




「…やっぱり。実はちょっと前に、お姉さんと弟さんの話を聞いていたので。」


「…へぇ〜。」


スレンダー美人さんは、少し驚いた顔をしている。


「今日はお姉さんだけなんですね。話を聞いていた通りで驚きました。」


「…フフッ。」




スレンダー美人さんの、その意味深な微笑が、妙に目に焼き付いた。

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