病院恋愛
「…とりあえず、場所を変えていただいてもよろしいですか?ココだとその、他の患者さんの目にも入りますし…。」


頼れるのは目の前の彼女だけ。


この場を早く治めてほしかった。




「そうですねぇ…。」


私に相づちを打つと、スレンダー美人さんはスタスタと問題の二人の前に歩み寄り…、




ギュッ




朝比奈君の左耳を引っ張った。


「イッ!?何すんだよ光(ヒカル)っ!!」


「ココで騒ぐと看護婦さんも困るって。ほら見なよ。」


私の方に目配せしてスレンダー美人さんが言った。


誘われるように朝比奈君も私の方を向いて、そして、ばつの悪いような顔をしていた。
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