病院恋愛
彼のいる病室は大部屋だから、基本、出入りしやすいようにドアは開けっぱなしにしている。


ノックはできないから、こちらで声をかけなくてはいけない。


ドアが閉まってても、社会人としては声はかけなきゃいけないけどねぇ。






一方の彼はといえば、


「………あ、はい。」


戸惑いがちに一瞬だけ、私を見て、目をそらす。




…私、さっきから自己紹介以外に、『あ』、とか、『はい』、しか聞いてない…。






…私、ちゃんと話聞ける??
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