僕は下僕

「フンフンフフフーン♪」


結衣さんと付き合えた喜びから自然と足取りも軽く、駅から家までの距離をスキップになっていた。


家の前にくると丁度、家に入ろうとしている璃子と出くわした。


「あれ？今日も部活？」

「まあね。春の大会近いからね。まあ、一年だし出れるかどうかは分からないけどね…。」

「そっかぁ。大変だね。出れたらまた見に行くね。」

璃子の新体操の演技は素晴らしいもので年々磨きがかかってきている。


見に行くのが楽しみで仕方がない。ニコニコと自然と笑顔になる。



「出れるか分かんないって言ってんじゃん。」


呆れたように璃子が呟く。


「大丈夫だよ。璃子よりキレイな演技する人いないもん。」


幼なじみの欲目だろうか。


小さいときから璃子の演技を見ていたが、璃子以外に見とれた選手などいなかった。


璃子は顔を真っ赤にし「バカじゃないの？機嫌とったって何もでりゃしないわよ、／／／」とブツブツ言っていたけど嬉しそうだった。



「ところで、休日の昼間っからあんたが出掛けるなんて珍しいじゃない？」


「えっ／／／実は今日、結衣さんとデートしてきたんだ。
んでもって付き合うことになったんだ！！」


「えっ！」


余程ビックリしたのか璃子が動揺した。


「まあ、そうだよね～。驚くのも無理ないよね。」


僕はあはは。と頭をかきながら照れ笑いを浮かべた。



「そう…良かったね。おめでと。」

璃子はいつものように馬鹿にするわけでもなく、少し淋しそうに祝福してくれた。




予想と違い拍子抜けしてしまった。

悔しがったりするのかな？と思ったのに……。

変なの……。