僕は下僕
翌日、中学の時の塾のオタク仲間が遊びにやってきた。



「藤澤氏、ご無沙汰ですな。」
「雰囲気変わったな。」
「今日はイイ物が手に入りましてな。是非、藤澤氏に拝見して頂こうと思いまして………。」



ゴソゴソと今、大人気のアニメのツンデレのヒロインがプリントされた紙袋を漁っているのがサボさん。


ボサボサっとした黒髪の前髪で目が隠れている。



語尾に『ですな。』とつけて話すのがしい。


しいは昔の僕と同じ体型でかなりの重量級だ。

ただ目元はパッチリしており、ニコニコと話すので人からは好かれるタイプだ。


最後のもう一人は色白で眼鏡をかけており、ヒョロとした体型で神経質に見えるのが三上だ。



この三人とは共通のアニメ好きが講じて仲良くなった。


「何々?」


もったいつけて話すサボさんに興味がわき、ワクワクしながら待つ。


「ジャーン!!」



取り出したのはセーラー服だった。



「それは!!ハル○殿の衣装ですな。」
「ついにサボさんも手に入れたのかっ!」


そう、サボさんが取り出したのは某アニメのツンデレヒロインのセーラー服だった。



「それ、どーするの?」


疑問に思ったことを口にした。


「そうですぞ。セーラー服なぞ着なきゃ意味がないですな。」


「むふふふ。いるでは有りませんか?」


不敵な笑みを浮かべ、サボさんが僕を見つめる……。いや、目は見えないんだけども……。



「ヤダよ!!僕は着ないよっ!!」


「誰が藤澤氏に着せますかっ!!そんな趣味は毛頭もないデスっ!!」


サボさんは唾をペッペッと吐き出しながら否定した。


「じゃあ誰に……?」



「いるじゃありませんか?適任が♪」


サボさんはカーテンを開け、璃子の家を差した。





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