嘘吐きな親友
「あのね…」

「ん?」

「私ね…
姉がいるんだけど…いつも比較されててね…」

私は自分のコンプレックスの原因である姉の事をミコちゃんに話した。

「そっか~。
何気ない事でも、言われた方は結構傷付くよね?」

「うん。どんなに真似しても、どうにもならないから。
でね、一緒にいると比較されるだけだから、お姉ちゃんとは遊ばずに1コ下の弟とばかり遊んでたんだ。
毎日毎日、山とか畑とか走り回ってさ。うちって田舎だし。
そのうち、親も諦めて。
『うちには息子が二人いる』ってね。
でもね…お姉ちゃんの事は大好きなの。
周りがどんなに比較しても、お姉ちゃんは私に優しくて。
だから、その・・・。
あれ?私、何が言いたかったんだろう?(慌)」

「気にしなくていいよ、由奈」

そう言った時のミコちゃんの声は・・・
すっごくすっごく優しかった。
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