朱の蝶
昨夜のように、貴方の隣で
眠らせてはくれないの?

眠れない・・・

眠れないよ・・・

私は、弦の部屋の前
ドアをノックした。

抱いて欲しいなんか
言わへん

洋服だって脱がんでいい

ただ、貴方の腕の中で
眠りたい。

安らぎたい。

安心したい。

『お兄ちゃん、今日は
 一緒に寝てもええ
 一人は、怖いねん』

背中を向けて、兄は言う

『ああ、横で寝え』

横で眠りたい・・・
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