朱の蝶
父の元で働き始めるまでの
しばらくの間、俺は、母に
呼び出される度に実家へと
向かった。

そこで、いつも彼女に会う

彼女は大人しいタイプの子
で、母の隣で物静かにただ
微笑んで、母の話を聞いて
いる。

ある夜、彼女をいつもの
ように送り届けた俺が
帰りかけた時・・・

「あの
 お茶でもどうですか?」

そう彼女に誘われるがまま
俺は、彼女の部屋へと
招かれる。

ドアが閉まる音と共に
俺は、夢中で彼女を求めた

彼女は拒むことなくこの俺
を受け入れた。

それから数回、俺は彼女を
この腕に抱いた。

そこに愛は無い・・・
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