朱の蝶
「本当?」

「ああ、もう一度
 着て見せてよ

 脱がして、じっくり
 見てない」

微笑む貴方に、微笑み返す私

「いいよ、じっくり
 見せてあげるね」

白地の洋服に着替え
ピンク色のルージュを引いた
私は、貴方の前に立つ。

「ゲン、お待たせ」

お淑やかで、大人しい
どこかのお嬢様のような
千景の立ち姿に弦は驚く。

驚いた顔の貴方・・・

「孫にも衣装だなって
 今、思ってるでしょう?」

「ばれたか?何てな

 チカ、お前は綺麗だよ
 
 お前に敵う女は
 この世のどこにもいない

 最高の女だ」
< 164 / 451 >

この作品をシェア

pagetop