朱の蝶
『タスク

 アンタには
 私は、男に見える?』

いつかの言葉・・・

新しい洋服に新しいサンダル
を履いて、軽やかに弾む
足取り。

男に身を寄せ、はしゃぐ
私の姿を遠くから見つめる
祐は、煙草を吸いながら
どこかへ・・・消える・・・

公園の草むらに、シートを
敷いて、その上にお弁当箱
を広げる。

「うまそう」

貴方は、微笑む。

私も、微笑む。

貴方は、玉子焼きを食べた。

「おいしい?」

「ああ、うまい
 ほらっ」
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