朱の蝶
「誰のせいだよ、セキ
 お前のせいだろうが
 この街に戻って来たと
 思ったら黙り(だんまり)
 決めて、こうして
 集まっても誰一人話さない
 
 嫌でも話すようになるさ」

「ルイ、悪い、悪い
 
 俺は元々は
 こう言う人間だ」

笑い合う声・・・

結局、家族想いの塁さんの
お出かけプランに皆が乗り
翌日、海へ出掛けることに
なる。

庭で、煙草を吸いながら
花に手を翳すのは弦。

「火、危ねぇぞ」

浬の声。

「ああ・・・」

「これ、チカちゃんが?」
< 176 / 451 >

この作品をシェア

pagetop