朱の蝶
「いやっ、嫌いじゃないけど
 何も、暑い日にわざわざ
 人で混雑する海に行く事
 は、ねえかなって・・・」

「でも、暑い日じゃないと
 海には入れないよ」

「そう言われれば
 そうだな」

「ゲンったら、おかしいの」

笑い声が浴槽に響く。

「明日は、あの小さな
 女の子達も来るよね?」

「ああ、マオとチヨ」

「あの子達、双子みたいで
 可愛いよね、楽しみ」

「子供、好きなのか?」

「うん」

「作る?今、ここで」

狂おしい瞳。

「遣りたいだけで・・」

突然の口づけに、準備不足の
私の息は続かない。
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