朱の蝶
苦しさで、顔を逸らし
離れそうになる私の唇に
貴方は唇の角度を変えて
口づける。

私は、弦の胸を
トントントンと叩いた。

離れる唇、大きく息を吸う
私の息遣い。

もう一度、触れる貴方の
口づけは、どんどん
激しさを増す。

あなたの海に漂って
永遠に、こうしていたい。

子供・・・

いつかほんまに、ゲンの
赤ちゃんが、このお腹に
できたら

私、めっちゃ幸せやろなぁ

幸せ・・・

私には

俺には

不釣合いな、幸福・・・
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