朱の蝶
拳銃の音が響く・・・

倒れる女の姿。

「キャー」

真夜中、久しぶりに魘されて
目覚めると、貴方が心配そう
に私を見つめていた。

「チカ、お前も
 怖い夢みたのか?」

「うん・・・
 ゲンも、みたの?」

「ああ
 
 俺は、毎度のことさ
 慣れてる」

私達は、体と体をぴったりと
くっつけて眠る。

わたしが、あなたの代わりに
怖い夢を見続けます。

だから、どうか
あなたが、これ以上
怖い夢を見ませんように

人の命を奪った、私達に
幸福などないのかもしれない
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