朱の蝶
「私の為に、ごめん
 ありがとう」

「いえっ、私は何も・・・」

私は、時間が気になる。

弦が、待ってる・・・
 
「タスク、ここに来てんのは 
 あんただけか?」

「はい、私だけです」

「そうか・・・

 タスク、このとおりや
 もう少しだけ
 待ってくれへん」

私は、祐に頭を下げる。

「二代目、やめてください
 俺のようなもんに頭
 下げんといてください」

私の声が震える・・・
 
「もう少しだけでええねん
 
 お願い・・・」
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