朱の蝶

赦して†弦

俺は、何してる・・・

訪れた、あっけない幕切れに
ついて行けない俺がいる。

会社の更衣室、汚れた仕事着
を脱ぎ捨て、洋服に着替える
俺の元に、父親である社長が
現れた。

「ゲン、今日の帰り
 一杯どうだ」

『待ってる・・・』

「親父、ごめん」
 
「何だぁ、女か?
 
 ゲン、お前、最近何か
 いいことでもあったのか?」

「いやっ、何も」

「そうか・・・
 
 そうだ、母さんが最近
 ぼやいてたぞ

 働き出してから、お前が
 おばあちゃんの家に
 顔を出してくれないって
 
 今度の休みにでも、時間
 作って覗いてやってくれ」
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