朱の蝶
俺の瞳に映る、お前は

女のようで

男のような

凛凛と、目覚める蝶

お前の発する言葉に、俺は
固まる。

「私の本当の名前は
 それは、神前千景
  
 アンタが殺した神前組
 初代組長・神前智隼の
 妹や」

俺が殺した、男の妹・・・

あの日の銃弾の音が
俺の耳を劈く・・・

永遠に帰っては来ない人を
待つ事ほど辛い事はない

俺の傷と同じ傷を、俺は

チカ・・・

愛する、お前に刻み込んだ。
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