朱の蝶

堪らない夜

ここは、生まれ育った街

私が、逃げ出したこの場所
に戻って来て、一番最初に
思った事は、あんなにも
大好きだったこの街のネオン
が、ほんの少し煩わしい。

でも、やっぱり、この潮の香り
は、私の心を和ませてくれる

「二代目、篠の兄貴に
 何を言われても
 黙っていてください
 
 セキガミとの関係は絶対に
 話してはいけません
 
 どんなに、癇に障ること
 を言われ、されたとしても
 白を切ってください
 
 でないと・・・」

「分かってる
 ゲンに迷惑はかけられへん」

神前組・本部事務所・・・

「二代目のお帰りです」
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