朱の蝶
チカ・・・

俺は、お前が居なくなった事
以外は、何も変わらない日常
を送る。

俺のためにお前が作ってくれた
カレーを三日かけて、やっと
食べ終えた頃

俺は、現実を受け入れ
ここに、お前が居た跡
お前の少ない荷物をまとめ
俺の目に触れない場所に隠した

そして俺は、以前の日々を
過ごす。

独りきり、生きる。

お前への想いが、そう簡単に
吹っ切れるわけはなく
今もここに、愛は存在する。

でも俺は、お前を取り戻す為に
動き出すことができないでいた

俺の中に、引っかかる想い。

俺は、お前の兄を殺した男
それは、事実。
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