朱の蝶
消せない真実。

そんな男に愛されても
お前は、迷惑なだけ。

そんな男の傍に居ても
お前は、傷つくだけだろう。

俺の、この想いは
独り善がり・・・・・・

愛する女は、今はもう
どこにもいない。

腑抜けた俺の元に訪れて
酒を酌み交わす、仲間。

「チカちゃんが、あの神前の
 妹だったとはな
 
 奴の顔を俺は、はっきりとは
 覚えていないが、カイリ
 二人は似てるか?」

「いやっ
 どうだろうな

 奴は、猫のような瞳を
 持つ男だった」
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