朱の蝶
あれだけの男達の頂点に君臨
する男だけあって、奴が放つ
オーラは、半端無かった。

「雰囲気は似て無くも無いが
 男と女、分かんねえ

 でも、チカちゃんがそう言う
 のなら間違いないだろう

 セキ、驚いただろう?」

「ああ、さすがに驚いたよ」

「セキ、彼女は、お前に
 復讐する為に、ここへ?」

「ああ、そうだと
 チカは言っていた」

『そんなん決まってるやん
 アンタの命
 貰いに来たんや
 
 最初から愛なんて・・・ない
 
 殺した男と、その妹を
 アンタは二度と忘れられへん
 二度とな・・・』

浬は、唇から離したビールの
空缶を、力を込めて握りつぶす
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