朱の蝶
「俺には、そうは想えない
 最初はそうだったかも
 しれない

 だけど、チカは
 セキ、お前を愛してる

 まあ、本当のところ
 お前も気づいてるだろう?

 俺なんかに言われなくても」

動けない俺・・・情けねえ

意味も無く時間だけが過ぎる

休日・・・

チカが、大切に世話していた
庭の花に水をやった後、俺は
久しぶりに母親に逢う為に
祖父の家へと向かった。

家の前、停めた車から降りる
と偶然、彼女・春華に会う。

「セキさん、こんにちは
 今日は、お車ですか?」
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