朱の蝶
せせら笑う男の顔が
毎夜毎夜、俺の夢に現れる。

チカから真実を聞いた
その夜から男は、決まって
この俺を見つめ、こう言う。

『近づくな』

流れる、一粒の涙・・・

きっと、チカ・・・

お前のその手を、俺は
取れない。

俺は、今回初めて
彼女の連絡先を聞いた。

弦・・・

お前はまた、彼女

春華に触れるのか?

その方が、楽なの?
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