朱の蝶
「黙っているのは・・・
 辛かったです」

「お袋が、そんな事を・・・」

「セキさんを、どうか
 責めないでください

 全ては、私の
 この気持ちが悪いんです
 
 貴方を好きで好きで堪らない
 この想いがいけないの・・」

春華の詰まる声

瞳から零れ落ちる涙

「ごめん・・・ハルカ
 君には悪いが
 今の俺には何も言えない」

玄関へ向かう、足取り・・・

「セキさん、これから
 私達はどうなるの?」

「すまない
 考えられない
 
 勝手な話だが・・・悪い」
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