朱の蝶
苦しい・・・

お前が今、涙を流して

泣いていても

俺は、何も・・・


ピンポーン、ピンポーン

ピンポーン・・・

朝、鳴り響く音。

モニターに映し出されて
いるのは、祐の姿。

「こんな、はよから
 何や、開けるで」

開かれるドア

モニターに映った、冴えない
祐の顔色に、目覚めたばかり
の私の胸は、ひどく動揺する

適当に顔を荒い、乾いた
タオルで拭く。

そして、シャツと短パンの
上からパーカーを羽織る。
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