朱の蝶
「二代目、間違えてもろたら
 困ります
 ワシ等は、リュウゴの為に
 行くんやない
 
 二代目、あんたの為に
 この命かけるんや

 手貸して欲しい
 笑わせんといてください
 
 ついて来い、その一言で 
 ええんや」

そう言って、一新は
私の一番、好きな笑顔を
みせてくれた。

そして、私をその腕に
抱き寄せ、抱きしめる。

「チカゲ、ほらっ
 泣いとう場合やないぞ
 
 今から、みんなの前で
 言うたれや」

一新に背中を強く叩かれた
私は、涙を腕で拭い

熱い鼓動を胸に
神前組、男達の前で言う。
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