朱の蝶
「それが、極道の女だけあって
 口が堅く根性が座っとります
 
 シロウの居場所も金の在処も
 何もしゃべりませんわ」

「拘束して
 今日で、何日目や?」

「三日、立ちます
 
 もう、今日が限度かも
 知れまへんな」

「あたしに任せて
 
 アンタ等は、あたしが
 呼ぶまで絶対に入って
 きたらあかんで
 
 そこで、動かんと
 じっとしとき」

部屋の中に入っていくと
椅子に体を縛り付けられ

手足を拘束された姿で座った
まま瞳を閉じて眠る、女性の姿
があった。

殴られた痕、腫れた顔
血の香りとアンモニアの香り
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