朱の蝶
私は、女の頬を思いっきり
引っ叩く。

「起きてや、アンタに
 どうしても、聞きたい事が
 あるねん、答えな
 アンタ死ぬで・・・」

「組長さん・・・?

 うちは、なんも知らん
 あの人が勝手にした事で
 うちは何も聞いてへん

 この手、放してや」

縛られた両腕・・・

「分かったから、じっと
 しとき
 
 動いたら、血出るで」

私は、ナイフでロープを切り
女の手の拘束をとく。

女は、解けた手を交互に
撫でながら言う。
 
「一般市民に、こんなことして
 うちのこと探してる身内に
 警察に垂れ込まれたら
 
 アンタ等の組、活動
 できひんようなるで」
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