朱の蝶
「ほんまやね
 
 でも、ママはあんたが
 一番、かわいい思うわ」

母親に甘える、女の子。

「ほらっ、行くで」

家族、三人・・・

並んで歩く、後ろ姿。

私は手元、いちご飴を
食べた後の串を見つめる・・・

その場に立ち上がる兄は
お尻の砂をはらった後
私に、大きな手を差し出した

「チカ、帰ろか?」

「うん、お兄ちゃん
 チカ、足が痛い」

「おいで」

兄に負んぶしてもらった
私は、大きな兄の背中に
甘えた。

「落とすなよ」

赤色の紙の和傘を私は
握り締める。
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