朱の蝶
私は女・・・

愛に包まれて生きたい

流れ落ちる涙に

貴方が触れる。

「一生のお願いだ
 
 もう、どこにも行くなよ
 
 俺には、お前しかいない
 
 お前の他には何もいらない
  
 俺の傍に居て
 俺から二度と離れるな」

痺れるほど、イカした男の
虜になった私は、真赤に
火照る頬を知られないよう
に、貴方の前を歩み言う。

「・・・
 仕方ないなぁ
 
 そんなに言うなら傍に
 居ったるわ

 弦、一生放したらへんから
 覚悟しいや」

私の頭に、貴方は手を置く。

「お前もな」
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