朱の蝶
「カイリ、お前」

弦の声・・・

「セキ、チカは貰った
 
 マオ、走れ、早く」

「マオ、捕まえた」

「ゲンちゃん」

万桜を抱きあげた弦は
浬に言う。

「カイリ、交換するか?」

娘の万桜ちゃんと私を
見比べる、浬さん。

「仕方ねえな」

「千景、おいで」

『チカゲ、おいで』

弦の手に、私の手が触れる

ここに、私の居場所ができた

私はもう、独りぼっちじゃない

お兄ちゃん

チカは今、最高に幸せやで・・
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