朱の蝶
月日は、流れ・・・

庭先に咲き乱れる花の
甘い香りの中

私達は、いつものように
軽いキスを交わす。

「じゃあ、いってくる」

「いってらっしゃい」

車に乗り込んだ弦

もう一度、ドアが開き
貴方は開いたドアの前に
立ち、私を呼び止める。

「千景?」

「うん、何?」

「今夜、カレー食いたい」

「え~、また、カレー?」

「ええやん、頼んだで」

車に乗り込んだ、弦は
クラクションを鳴らして
走り出す。

遠く、見えなくなる。
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