朱の蝶
私が、庭の花に
触れていると、どこからか
ひらひら、ゆらゆらと
一頭の蝶々が飛んで来て
花と花の間を楽しげに舞う

その様子を見つめる、私。


女のようで

男のような

儚く、眠る蝶・・・


私の中に、今も潜む
朱の蝶・・・

男である事を熱望され
男の社会に生き、タフで
強くあろうとした。

時に、自分を奮い立たせ
男以上に、男を演じた。

でも所詮、私は女・・・

愛を知れば、守られたい
その腕に抱かれたい
その愛に包まれたいと
願う気持ちを抑えられない
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