朱の蝶
幾ら、強がって見せても
ドクドクと流れる血潮は
私に女である事を訴えかけ

私は、愛する男の前で
女でありたいと願った。

『独りは、死ぬほど
 怖いから・・・』

そして、私は
貴方に弱さを見せた。

独りぼっちが怖いと涙を流す
私を、貴方は助けてくれた。

その腕に、優しく
抱きしめてくれた。

そして、自分の弱さをも
この私に見せてくれた。

男らしいだけが男じゃない

女らしいだけが女じゃない

守りたいものの為には
人は強くもなれるし

悲しみを持つもの為には
その悲しみに自分の内に
秘めた弱さを晒し、優しく
寄りそう事ができる。

兄を亡くした私と
妹を亡くした貴方は
同じ悲しみを持ち、似ていた
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