朱の蝶
男を睨み付ける、悲しいまでに
きれいな瞳・・・

「セキガミを殺ると決めた
 その時は、このあたしが
 動くから
 
 誰も、奴には手を出すな
 分かったな」

兄を殺した、関上というその男
がどんな奴なのか、私はこの目
で見て見たい。

この目で確かめて、どうしても
許せなかったその時は、私の
この手で復讐する。

「二代目・・・」

「組長・・・」

「セキガミの件は、これで
 終わりや

 あたしの言うてる事が
 分からんと、奴に手を出す
 言うんやったら、この組を
 抜ける覚悟で遣り
 
 誰も止めへんから
 勝手にせえ」
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