朱の蝶

帰るところ

願いは

叶わない・・・


辿り着いた場所は殺風景な街
何にも無くて驚くぐらい・・・

都会から、電車で揺られれば
こんなにも田舎の風景が広がる

私の生まれ育った街の方が
数倍も都会。

精一杯に、都会であろうとする
駅前の微妙にずれた飾りが少し
痛々しい。

「何、あれ、ダサ・・・」

ほんま、何にも無い・・・

こんなにも寂れた街で貴方は
身を潜めて生きている。

過去を偲び、静かに生きている

きっと、独りきりで・・・

親切な入江組の人に、教えて
もらった関上が暮らす住所が
書かれた紙を、私は大切に
握り締める。
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