朱の蝶
「何があった?

 お前、さっきから
 ずっとここに居るよな?

 どうした、何かあったのか?
 
 困った事があるなら、俺に
 話してみろよ
 
 俺が助けてやるから」
 
「ほん(ま)、とう・・・
 
 助けてくれる?」

涙の溢れる瞳で、私は
貴方を見つめた。

「あっ、ああ
 
 俺に、任せろ

 いったい、何があった?

 どうして、泣いてる?
 
 お前、この街の住人
 じゃないだろう?

 どこから来た?」

「ちょっと待って
 そんなにいっぺんに・・・
 一度に言わないでください

 落ち着いたら
 話しますから・・・」
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