朱の蝶
貴方が、心の底から私の事を
心配してくれている事が
その表情からも分かる。

貴方は、私の隣に立つと私の
肩を、そっと優しく抱いて
くれた。

温かい感触・・・

「あそこで話そう?」

「はい」

駅の傍、古ぼけた喫茶店に
二人は入る。

マスターの声・・・

「おう、ゲン
 今日は、一人か?
 
 カイリに、もう一人は
 どうした?」

カイリ・・・

聞いた事のある名前。

「あいつもルイも
 カイリの親父さんと
 現場」

「お前は、サボって
 こんな若い子と
 お茶ですか?」
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