朱の蝶
『なれる』

貴方は、そう断言した後

私に、にっこりと微笑み
かけてくれた。

その微笑み

重なる・・・

「当分は、俺の家に
 住めばいい」

セキガミ ゲン

この人

何、言い出すん?

「いえっ
 
 そんな・・・」

「部屋、借りる金
 お前持ってないだろう?」

ポケットの中、私の手が
握り締めるのは札束。

「・・・・・・」
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