朱の蝶
玄関に飾られた、埃を被った
家族写真・・・

一枚の写真に映る、少年の貴方
の顔は今と、さほど変わらない

弦は、童顔なんかなぁ?

そんな貴方の隣で微笑む綺麗な
大人びた少女。

靴を脱ぐ貴方に、私は
問いかける。

「妹さん?

 ゲンに、似てる」

「ああ・・・
 そうみたいだな
 
 妹が生きてた頃は
 よく、言われたよ」

「生きていた、ころ?」

聞いたら、あかんこと

わたし、聞いてる・・・
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