朱の蝶
「お家に帰ろう」

俺には、帰る場所がある。

帰ろう・・・

「チヨ、マオ
 帰ろう」

俺の差し出した手に触れる
小さな手・・・

笑い声、可愛い歌声・・・


そんな俺の中に駆け巡る想い

胸騒ぎ・・・

俺は立ち止まり、振り返る。


どうして、一人で泣いてる?

「ゲンちゃん?」

「セキさん・・・」

「先、帰ってくれ
 後で連絡する」

一人で泣くのは寄してくれ
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