朱の蝶
「・・・
 落ち着いたら
 話しますから・・・」

彼女の中で、張り詰めていた
空気が変わる。

ほっと安堵の表情を浮かべた
お前は、やっと

本当の女に戻る・・・

気づくと俺は、彼女の肩を
そっと抱いていた。

温かい・・・

女の名前は、チカ・・・

「チカちゃん、初めまして
 俺は、セキガミゲン」

俺の名を聞いたお前の顔色が
一瞬、変わる・・・

「それで、落ち着いた?」
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