朱の蝶
「ここに居ればいいさ
 
 居たいだけ居ればいい
 ・・・」

よくもまあ、こうペラペラ
と、俺の口から言葉が
出てくる、出てくる。

俺は、自分の言葉を彼女と
一緒に聞いている。

「元気になる・・・
 
 私は、この街で 
 元気になれますか?」

「ああ、なれる」

そして、断言する始末・・・

挙句の果てに俺は言う。

「当分は、俺の家に
 住めばいい」

彼女は、目を大きく見開いた
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